2011年11月11日

豊潮丸~瀬戸内海(6)11月11日 ヒクラゲ無事到着

  • 期間:2011年11月7日~2011年11月10日
  • 場所:瀬戸内海
  • 目的:大型クラゲ類及びアミ類の分布調査
  • 担当:足立


11月9日午前7時、予定の調査をすべて終えた豊潮丸は、呉の基地に帰還すべく、宇野港を出港しました。
呉港への入港予定到着時刻は午後4時です。
回航中、10時からは全員で甲板の掃除を行いました。
デッキブラシで砂や泥を流し、作業中着用したライフジャケットや長靴も洗います。
ライフジャケットをロープに干し、これが万国旗のように風にはためくようすはとても爽快です。
終わったぞ、という達成感も感じ・・・たいところですが、水族館屋はそうはいきません。
「採集」の次には、出張採集による作業の胆となる「輸送」という、重大な任務があるのです。
添付の画像を見ていただくと、風にはためくレスキューオレンジの下に、丸い青いものが写っているのがおわかりかと思います。
持参した円形組み立て水槽です。
狭い袋の中への密閉時間を少しでも短くするため、ヒクラゲはまだこの中を泳いでいるのです。
1匹しかいない貴重なヒクラゲの生体。
どうか無事でついてくれ、と祈りを込めてパッキングしました。

その後水槽の排水と片付け、その他の器材の梱包をバタバタとおこない、呉港入港ギリギリで、自分の荷物をまとめ終わりました。
船上での作業は、これでようやく終了です。

下船後、すぐに宅配便屋さんへ行き、“えのすい”への発送手続きをおこない、これでやっと、出張先でのミッションがすべて終わりました。
とりあえず一息つきましたが、“えのすい”でもう一度無事な姿を見るまでは、ココロはまだ緊張状態です。

11月11日午後2時半。
クール便にてヒクラゲ到着。
ビニール袋の中で拍動するようすを確認して、ほっとすると同時に、予備槽に収容しました。
きょうの閉館後、展示水槽への引っ越しをおこないます。

掃除後の甲板掃除後の甲板

パッキングされたヒクラゲパッキングされたヒクラゲ

予備水槽に収容予備水槽に収容


広島大学「豊潮丸」よる大型クラゲ類及びアミ類の分布調査航海

クラゲファンタジーホール

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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