2012年03月28日

石垣島(1)お久しぶり石垣島

  • 期間:石垣島
  • 場所:陸棲及び淡水棲生物の調査
  • 目的:2012年3月28日~3月31日
  • 担当:伊藤


みなさまこんにちは。私は今、石垣島にいます。
以前来たのが2008年7月。当時は深海チームの一員としてJAMSTECの沖縄トラフ航海に参加しており、その帰りにちょろっと寄った感じでした。
今回はずーっと石垣島。約3日間、寝ても覚めても石垣島なのです。

今回は大きな目的が一つあります。
日本で石垣島の周辺で特有の、ある生物の調査です。
そのついで、といっていいと思いますが、今後の展示の参考とするため、いつものマングローブや、陸上、淡水域の生物も観察しますよ。

今回、直通便が取れなかったので、島に着いたのは夕方。
本格的な調査はあした以降にして、以前行ったことのある近場のフィールドへ行ってみました。
名も無い水路が海に流れて小さなマングローブがあり、ちょっと内陸には水田があります。
現場に着いたときは18時過ぎ。
綺麗な夕焼けを一瞬楽しんだ後、ひたすら地べたをにらんでいました。

干潟上にはおびただしい数の巻貝が埋め尽くしており、拾い上げると結構な割合でヤドカリです。
ツメナガヨコバサミの幼体でしょうか。小石をひっくり返してみると、ハシリイワガニやフタバカクガニがダッシュで逃げていきます。
彼らの暮らしぶりは「木登りをするカニ」として日誌や展示で紹介してきましたが、この時期は一応冬なので、樹上で活動する生物はかなり少なめでした。この点は残念。

水路にちょっと網を入れてみると、カワアナゴの仲間(チチブモドキかオカメハゼ)の幼魚が何匹も採集されます。目が顔の横についており、シャープなシルエットが実に私好みです。神奈川県ではレアな種類も、こっちではごくごくありふれた魚の一つです。

すぐにあたりは真っ暗闇。今度はヘッドライトを装着して水田へ。水面を眺めていくと、外来種のジャンボタニシこと「スクミリンゴガイ」がそこかしこに見られます。水田の区画によっては、透明なヒメアマガエルのオタマジャクシがたくさん。私は初めて出会ったので、感激して写真も取らずに観察しまくっていましたら、もう21時を回っています。ふと気づくとあたりはカエルたちの大合唱です。どうやら3種類。グゴゴゴと機械音のようなオオヒキガエル、ガタガタガタと低い音のヒメアマガエル。キュコココ甲高いヤエヤマアオガエル、でしょうか。
初日から癒されますが、本番の調査に備えて、きょうはこの辺で失礼します。

ヤエヤマヒルギの育つ干潟ヤエヤマヒルギの育つ干潟

かわいくてカッコイイ、チチブモドキ?かわいくてカッコイイ、チチブモドキ?

スクミリンゴガイスクミリンゴガイ

太平洋

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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