2014年05月28日

豊潮丸~日本海(9)
豊潮丸航海9日目/笠川

  • 期間:2014年5月20日~5月29日
  • 場所:日本海
  • 目的:ベントス・プランクトン調査・採集
  • 担当:杉村・笠川


本日で採集最終日です。
瀬戸内海でのドレッジとソリネットをおこないました。
調査ステーションまでには手のひら大のアカクラゲをたくさん見ることができました。
船の周りは海で遠くに瀬戸内海の島々がうっすら見える程度でした。
そんなところでも海底までたったの 20mほどでした。
相模湾だったら、沖合まで行くと水深は普通に 500~ 600mにもなるのに、今回の航海でいった日本海のステーションの海底もほとんどが 100mほどで底質は泥と砂でした。
生物としては、ゴカイ類が多く、大きな生物だとクルマエビやシャコの仲間などが入りました。

本日は愛媛県の長浜港に入港です。
恒例の漁港まわりをしていると、釣り人の方から面白い情報を得ました。
どうやら近くに、校内に水族館がある高校があるとのこと。
愛媛県立長浜高等学校です。


愛媛県立長浜高等学校

きょうはお休みのようでしたが、たまたま立ち寄った高校の前のパン屋さんのご主人のご好意で、水族館部の顧問の先生にかけあってくれました。
なんと素敵な出会い。一期一会です。
その取り組みの素晴らしさに驚きました。
生徒さんたちの熱心な活動がとてもよく伝わりました。
タッチプールを始め、周辺の海の生き物、川の生き物、クマノミの繁殖など、採集から飼育、展示まで、本当によく頑張っています。
そして、とても地域に密着し、愛されている水族館でした。
今後は、クラゲの展示、飼育も試みたいとおっしゃっていたので、ぜひ、頑張って頂いて、いろいろな方々にクラゲの魅力も伝えてくれたらうれしいなと思いました。

私たちも頑張れねばと、本日も集魚灯を点灯し、夜間採集。
カブトクラゲがたくさんいました。
カブトクラゲに交じってクラゲノミが付いているヘンゲクラゲをいくつか見つけることもできました。


クラゲノミ

昼間はほとんど港のまわりにはクラゲが見つからなかったのに、潮の満ち引きの変化によって、これほど変わるとは。
今回はいろいろな地域の港も見ることができ、本当にいい情報収集にもなり、とても面白かったです。
あすは、とうとう航海最終日。広島県の呉へ戻ります。


広島大学「豊潮丸」よる日本海ベントス・プランクトン調査・採集

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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