2014年07月17日

沖縄県・黒島 子ウミガメ放流日誌3日目/北嶋

  • 期間:2014年7月15日(火)~2014年7月17日(木)
  • 場所:沖縄県八重山郡竹富町
  • 目的:アオウミガメ放流
  • 担当:戸倉・北嶋
ヤドカリと足跡ヤドカリと足跡


子ガメたちは元気に海へと旅立っていきました。
とりあえず今回の最重要課題はクリアできたので、安堵しました。
寂しい気持ちはちょっとだけ。
それよりも、広い大海原で思う存分泳ぐ姿を見て「よかった!」の気持ちの方が多いに勝っていました。
けれど、海は厳しいところです。
温室育ちの子ガメたちが、無事生きていけるのか心配です。
3日目は、放流した地点で子ガメたちがさまよって浅瀬に戻ってきていないか、確認しようと決めていました。

きょうも海は穏やかです。天気は良好。
まずは仲本海岸の方へ。
子ガメの姿は確認できず。
よしよし。
海に来ると、他にどんな生き物がいるのかも気になります。
サンゴ石を拾うと、ホシスナの仲間がいくつかくっついていたり、鮮やかなサンゴヤドカリたちがタイドプールで遊んでいました。

次に、西ノ浜へ。
こちらでも子ガメの姿は確認できず。みんな、沖の方へ泳いで行ってくれたのかな。
よかった。
砂浜では、オカヤドカリがたくさん歩いています。
オカヤドカリの足跡がきれいに残っていて、一体どこに向かって彼等はせわしなく移動しているのか、気になりました。

夜は、クラゲを探しに港へ集魚灯を持って出かけました。


夜間採集

目の良い立方クラゲの仲間(ハブクラゲやアンドンクラゲの仲間)やヒドロ虫が目当てです。
灯りを水中に落とすと、すぐに魚がたくさん集まってきました。
シラスや夜光虫、子イカ、ヒョウモンダコや連結して泳ぐヘンテコな発光生物(調べなきゃ)などなど、すごい数の生物です。
小さな魚たちを狙ってか、大きなダツやウミヘビ、カニなども泳いできました。
目当てのクラゲは、来ました。
はじめはなかなか寄ってこなかったのですが、少し場所を移動したら、小指の爪ほどの小さなクラゲがどんどん集まってきました。
漁港に腹ばいになって水中を覗きこんでいたので、傍から見ればかなり変な人だったでしょう。
昼間にも漁港にクラゲがいないか探しに行ったのですが、その時にはクラゲはもとより、魚もあまり見ることができませんでした。夜の海ならではの観察方法です。
思惑どおりにたくさんの生物が観察できてニヤリとしてしまいました。
そんなこんなで、3日目は終了です。
あしたは1日かけて帰ります。

黒島のみなさん、大変お世話になりました。
あと 10匹は黒島研究所でもうしばらく大きくなるまでお世話になってからの放流です。
引き続き、どうぞよろしくお願いします。


黒島はこんな所

子ガメたちよ、黒島の海で元気でね。
数十年後に大きくなった姿でどこかにいることを楽しみにしています。

ウミガメの浜辺

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

RSS