2020年02月01日

相模湾鯨類調査

  • 期間:2020年2月1日(土)
  • 場所:相模湾
  • 目的:相模湾・東京湾に生息する鯨類種特定に関する研究
  • 担当:鷲見


みなさんこんにちは!
2月も相模湾鯨類調査を行いました。
今回のメンバーは東京海洋大学の中村先生、すぐ船酔いをする鷲見、そしてしっかりしすぎて20代に見えない花上トリーターです。

相模湾鯨類調査とは?と疑問に思った方は、バックナンバーをご覧ください。簡単にいうと、相模湾にどんな鯨類がいるかを色んな方法で調べています。

そして、今回が実は 6回目の「相模湾鯨類目視調査」ですが、これまで鯨類を確認することはできていません。
7~8時間かけて船上から鯨類がいないか調査をします。
今回はどうなるか、不安と期待が入り混じりながら東京海洋大学の「青鷹丸」に乗船し、三崎港から伊東港を目指し出航しました。
また、今回も毎正時間(各時間の 0分)には水温、天候、風向、風力量、海面の状態、GPSを用いた位置情報の記録をしました。
目視調査は 3人で行います。
2人が船首に立ち、左舷と右舷でそれぞれ目視で鯨類を探します。
残る 1人が記録係です。


出航時の富士山

出航直後は北風が 15mというあまり目視調査にはよくない海洋条件であり、不安が高まります。
三崎港寄りは北北西の風が強く、しばしば白波も発生しており鯨類を目視で確認するのに容易ではありませんでした。
しかし、伊東半島に近づくにつれ、風もおさまり、白波もほぼ発生しておらず、もしここに鯨類がいたら、とても確認しやすい環境だな、と考えていました。


調査中の鷲見(左)と花上トリーター(右)

すると、なんと初島周辺でカマイルカの群れが船の四方八方で確認され、100頭は越える数を確認することができました。


カマイルカの背鰭


カマイルカ

急いで環境 DNA調査用の採水を東京海洋大学の中村先生が実施してくださり、こちらでバックナンバーにもあるように、株式会社ファスマックと協力して、鯨類の DNAが海水に含まれていないか分析をします。

これまで 9月から 7~8時間かける航海を計6回にわたり実施しておりましたが、ついに鯨類を確認することができました。
今回確認できたカマイルカが相模湾に定住しているかは今回の調査だけではわかりませんが、通年地道に調査することで、定住なのか、回遊なのか、回遊であればどの季節に相模湾を通るのか解明できる日がくると思います。
これからも地道に調査を進めていきたいと思います。

また、洋上に鯨類の他に、数種の海鳥と、ミズクラゲ、そしてやはりプラスチックのごみが散見されました。
さまざまな生物が暮らす海のごみ問題にも引き続き取り組んでいこうと思います。


コアホウドリ

バックナンバー
2020/01/16 相模湾鯨類調査

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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