みなさんこんにちは、八巻です。
久しぶりに調査航海に来ております!
前回は 2020年 12月のかいめい航海。今回約2年ぶりの航海となるため、わくわくがとまりません♪
今回の航海は、広島大学生物生産学部附属練習船「豊潮丸」でおこなわれる、北里大学海洋生命科学部の乗船実習に同行するかたちで参加しております。
5日間の航程となりますが、日誌は八巻と渡部の二名でお送りしていきます。
実は私たちは二人とも北里大学の同学部の出身です。
私が在籍していたのはキャンパスが三陸にあった頃で、調査船を用いた乗船実習はありませんでした。今の学生さんたちはうらやましい限りですね!
さて、1日目となる本日は、8時ごろ集合して荷物の積み込みをした後、9時ごろ出港、船内生活の案内と訓練を受け、水槽の立ち上げなどをすすめながら最初の海域へ回航。20時ごろからドレッジによる採集とCTDによる観測をおこない、その後集魚灯による灯火採集をしました。
乗船地は広島県の呉港。私自身は2度目の豊潮丸乗船です。
久しぶりの豊潮丸でしたが、以前乗船した7~8年前と変わらない姿で出迎えてくれました。
今回はトラックで江の島から呉まで来ました。一見大変そうですが、荷物の発送の手間がないことや生き物をいち早く持ち帰ることができることなどのメリットが多いため、最近の調査航海はトラックをよく使っています。
今回もトラックで積んできた荷物を船内に積み込み、準備完了、いよいよ出港です。
最初に船内生活の説明を受けました。一等航海士の方から食事の時間やお風呂の入れ方、掃除の仕方などについて聞きました。
次は水槽の設置です。
限られたスペースをどうみんなでシェアして有効活用していくか、複数人で同時参加する調査航海では重要なことです。
その水槽、うまく設置できたと思っていたのですが、しばらくして水槽の一つが全然冷えないことに気が付きました・・・。どうやらクーラーが壊れてしまっていたようです。
しかし、限られた材料で臨機応変な対応をすることもまた、陸から隔離された空間にいる航海中に大切なことです。今回は二つの水槽の循環をひとつにまとめることで、解決することができました!
さて、準備も終わり、夜まで回航です。
20時ごろには調査海域に着き、いよいよ調査がスタートしました!
初回は 150m域のドレッジ。ドレッジとは、巨大な熊手のような器具をえい航、海底をひっかくことで生物を採集する手法です。
3分間海底をえい航・採集、今回は粒が大きめの砂やサンゴ、貝殻片が中心となった底質がドレッジの袋に入っていました。
袋をあけてみると、ウミシダ類やアナゴ類、クモヒトデ類、小型甲殻類を生かしたまま採集することができました。
これら生かす生き物を採集した後は、標本用の生物を砂の中から探し出すソーティング作業の始まりです。
なかなか骨の折れる作業ですが、いろいろな分類群の生き物を知るとても良い機会です。
この後CTD、灯火採集を行いました。CTDは深度別の水質を計測する手法、灯火採集は光によって来る生物を採集する手法です。詳しくは次の日誌で紹介できればと思います。
まだまだ調査は始まったばかり。これから5日間、楽しく有意義な採集航海にしたいと思っています。こちらの日誌にもおつきあいください。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
広島大学生物生産学部附属練習船「豊潮丸」(広島大学)での北里大学海洋生命科学部の乗船実習