みなさんこんにちは!八巻です。
今回は3つの調査を行うため、足立トリーターと鹿児島に来ています!
まず1つ目の調査、きょうとあしたは、昨年に引き続き鹿児島大学水産学部附属練習船「南星丸」に乗船させていただきます。
今回の南星丸調査では、これまで沈設してきたクジラの骨にハオリムシが着いているかどうかを確かめるのを目的としています。
ハオリムシと鯨骨の関係についてはこれまでも日誌を書いてきていますので、そちらを参考にしてみてください。
今回も水中ドローンを持ってきていて、2回目の鹿児島での稼働となります。
昨年は回収を目的としていましたが、今回は観察による適切な鯨骨の回収時期を見極めることが主な目的です。
ですから、水中ドローンも通常のグリッパーのみで対応します。
今回は新しい試みとして、鹿児島水族館と協力して、タギリカクレエビを採集するために水中ドローンで設置するタイプのカゴを沈め、回収を試みてみる予定です。
きのうの夕方、到着して南星丸に機材を積み込んで、機材の動作チェックを済ませました。
朝7時半に乗船、きのうに引き続き、きょうは水中ドローンを水に浮かべて動作確認と浮力調整をしました。
浮力調整は案外難しく、前に傾いてしまったり後ろに傾いてしまったり、装備を替えるたびにそれをうまく調節して、水中ドローンを操縦しやすいようにするのです。
その後9時ごろに出港、現場海域を目指しました。今回も鹿児島湾湾奥のハオリムシサイト周辺を目指しました。
現場に到着、海況は極めて良好!水面が鏡のようで、船上から写真を撮る私の顔もそのまま写ります。
まずは東京海洋大学の山中教授を中心とした、水質チームの採水と CTDによる水質測定です。
採水と CTDについても過去に何度かご紹介していますので、参考にしてみてください。
ついで我々の番です!
今回新しく取り組む作業のひとつ、タギリカクレエビ採集用のカゴの水中ドローンによる設置で、回収はあしたおこないます。
これまで設置した鯨骨の緯度経度はおさえていますので、それらの近くに置くことができれば、これまでの鯨骨を頼りに探しやすくなるはずです。
早速潜航!
今回は私がパイロットを務めます!
なかなか緊張する仕事です・・・
底について少し捜索すると、ハオリムシは見つかり、カゴの設置場所を探ります。
このサイトのハオリムシは堆積物に埋もれているものの、とてもきれいにエラを出しています。ハオリムシはたくさんいますが、なかなかこれまで沈設した鯨骨が見つかりません。
毎回のことですが、水中で絶対的な位置がわからない状態でものを探すのは本当に難しいす。
もちろん船上では緯度経度をしっかりととってあり、鯨骨を沈設している場所の真上から水中ドローンを潜航させているわけですが・・・
それでも一筋縄ではいきません。
しばらく捜索して、ついに鯨骨を発見!
ようすを観察します。
こちらの鯨骨、明らかにハオリムシがたくさん付着しています。
昨年、これまで沈設したすべての鯨骨の観察をおこない、1つに数個体付着していることを除けば全く付着していなかったはずでした。しかもその鯨骨は去年の同様の調査で回収をおこなっています。
たった1年でこれだけたくさん付着して成長するとは、にわかには信じられません・・・
自然は本当に何が起こるのか、行ってみないと、見てみないとわかりません。
現場に足を運ぶ重要性を改めて感じます。
調査後に昨年の映像を見直してみたいと思います。
ただ、残念なことに、この骨のラベルが付着物に覆われ、どの骨なのかわからない状態でした。今回設置するカゴの指標にもできず、カゴは設置せずに捜索を継続することにしました。
しかし探せども探せどもラベルががはっきりとわかる鯨骨にめぐりあえません・・・
終了時刻もせまってきてしまいましたので、何も目印がないよりは幾分ましということで、ラベルがわかりませんが鯨骨のそばに置くことにしました。
まずはあした回収すること、そしてエビが入ってくれていることを期待します!!
その後、鹿児島水族館が中心となって進めているエビ芝によるタギリカクレエビの採集機材の沈設。
そして東京大学の巻准教授の研究室の水中ロボットチームの実験をおこないました。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。