2024年10月13日

マレーシア クラゲ調査(5)
5日目/渡部

  • 期間:2024年10月9日(水)~10月18日(金)
  • 場所:マレーシア
  • 目的:東南アジアのクラゲ調査
  • 担当:足立・渡部


みなさんこんにちは! 渡部です。
マレーシアでの調査も折り返しを迎えました。
毎日船に乗りサンプリング、ソーティング、ティーブレイクと、イベントがたくさんなので本当にあっという間に1日が過ぎていきます。

さて、きょうはこれまで過ごしてきたペナン島を離れ、車で2時間ほどかけてマレーシア本土の川へと向かいました。

途中サービスエリアに立ち寄り、昼食をとりました。初めて見るフルーツが並んでいます。

りんごのような果物りんごのような果物


ひと休憩を終え、サービスエリアから1時間ほど車で移動します。
あすサンプリングをおこなうペラ川が見えました。とても広いです。

どんなクラゲが生息しているのでしょうか。
わくわくしているうちに、港に到着しました!
これからベルナム川へと向かいます。

絵に描いたような東南アジアの漁村の風景が広がっています。
さっそく調査道具を船に積んで出発です!

レッツゴー! きょうはいいお天気です。 


しばらく船が進むと先ほどのペラ川が見えてきました。奥にはマングローブ林が見えます。

ベルナム川はもう少し南にありますので、どんどん進んでいきます。
ふと後ろを振り返ると、アジサシやカモメの仲間が集まっていました!
船が通った後は魚を狙うチャンスのようです。時折海の中にすっと入って魚を捕まえています。


サンプリング地点に到着しました。
表面の塩分を測ってみると、18‰ほどでした。海の塩分は約 35‰ですので、ここは海水と淡水が混ざり合った汽水域になります。

18‰を指す塩分計18‰を指す塩分計

塩分測定などを終えたら、よじよじタイムのスタートです。

足立トリーター、夢中でよじよじしています!
いくつかの地点でサンプリングしましたが、目視できるクラゲは見つかりませんでした。
こういうときは、バケツの中に小さなクラゲが入っていること願います。ソーティングが楽しみです。
すると突然、「OTTER!!」という声が聞こえてきました。カワウソです!2匹並んで泳いでいます。


野生のカワウソを見ることができるなんてラッキー!と思いながら、調査を続けていると、あれ?! 足立トリーターがよじよじした網に、なんだか大きなゼリー質のものが入っています。
サンプルびんに移してみると...


ぬぁぁぁぁあ!!!
小さな根口クラゲの仲間です。
リクノリーザ・ルサーナの小さい個体に似ていますが、模様が少し違いそうです!成長すると種類がより正確に分かるかもしれません。
足立トリーター、本領発揮です!かっこいい!

そして、カワウソのおかげでクラゲに出会うことができました。

Thank you, otters.
ありがとう、カワウソ。
その後も根口クラゲを何個体か見ることができたので、きょうの調査は終了し、港へ戻りました。


海を見つめる足立トリーター


さて、きょうは、港から1時間ほど進んだところにあるテロックインタンという街で、一晩過ごします。
夕食を取った後、少し街中を散歩することになりました。


こちらは街のシンボル、ピサの斜塔ならぬ、テロックインタンの斜塔です。
写真では伝わりにくいですが、角度によってはかなり傾いているように見えます。


周りには露店が出ていて、ちょっとしたお祭りのようです。子どもたちがシャボン玉で遊んでいました。
楽しいひと時を終えると、ソーティングの始まりです!
なんと今、午後 11時... 汗
眠たいですが、ここからもうひと頑張り!
持参した道具を駆使してホテルでソーティングです。
みんなで手分けして、小さなクラゲを探していきます。


S.E.A. aquarium チーム


CEMACS・北里チーム

ワールドワイドなソーティング大会の始まりです。こうして世界にクラゲ調査の輪が広がっていきます。
我らがえのすいチームも頑張りました!


みんなで手分けをしたので、あっという間にソーティングは終わりました。やはり大きなクラゲは入っていませんでしたが、タマクラゲの仲間や、オワンクラゲの仲間など江の島でもときどき見られるクラゲが確認できました!
こんなに遠くに来ても、見慣れた種がいると安心するような、もっと冒険してみたくなるような... 笑
採集されたクラゲの中には、マレーシアで記録のないものや、未記載種もいるかもしれません。日本に戻ったら詳しく調べていきます!

それでは、おやすみなさい。またあした。

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

RSS