2006年08月05日
トリーター:倉形

化石に骨髄が残っていた


アメリカ自然史博物館やアイルランドの大学などの国際チームが、世界で初めて骨の内部に骨髄組織が残っているカエルなどの化石を、スペイン北東部の約 1000万年の地層から発見し、アメリカ地質学会誌に発表しました。
発見された骨髄には化学成分が良好な状態で保存されていたため、蛋白質やDNA(遺伝子)を抽出したり血液に関係する生理・代謝について新しい事実が得られると期待されています。
脊椎動物の骨には血球などのもとになる骨髄が詰まっているがこうした軟らかい組織は化石として残りにくいのです。
研究チームによると骨髄が残っていたのはカエル、オタマジャクシやイモリに似た両生類の化石でした。
約 150体の化石を分析したところ、その約1割に骨髄が含まれていたということです。
また化石が発見された地域は、かつて亜熱帯の湖でカエルの輪郭まで残した化石など、保存状態が良好な化石が多く見つかるため専門家の間ではよく知られています。

当館でも「生きた化石」として肺魚(種名:プロトプテレス・アネクテンス)を、なぎさの体験学習館で 8月3日から乾眠実験を開始しております。
乾眠実験とは人工的に雨季・乾季を作り出し、このような過酷な状況下でも生きていることを証明することです。
方法は徐々に水槽内の水を抜いていき、完全に水が無い状態でも生きていることを確認しつつ、再び水槽内に水を入れ元の状態に戻すものです。肺魚が生息している環境は雨季や乾季があるため、水が無くても生き抜けるよう肺で呼吸するようになった魚なのです。
この実験の終了時期は未定ですが、ぜひ一度実験のようすを見に来てください。
もしかすると肺魚の目覚める瞬間に立ち会えるかも知れませんよ!

ハイギョの乾眠実験ハイギョの乾眠実験

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