こんにちは鈴木です。
今回は詳しくなろうシリーズ第四弾です。オキゴンドウ、ハナゴンドウ、カマイルカと来て、最後はバンドウイルカです。
では始めます!
和名:バンドウイルカ(ハンドウイルカ)
学名:Tursiops truncatus
漢字:坂東海豚(半道海豚)
英名:Bottlenose dolphin
まずは名前についてです。
和名ですが、(括弧)で書きましたが、濁点の有り無しで2種類ありますね。
ご存知の方も多いかもしれないですし、2つあることは知っているけど何故か分からないという方もいるかも知れません。
ちなみに、正式名称はハンドウイルカです。これは江戸時代の書物にも記されており、歴史的にも最初に登場した名前です。ではなぜ濁点ありのバンドウイルカが誕生したかといいますと、今から 60年くらい前に、ある日本の海獣類研究者の先生が創ったのが始まりのようです。その後、どちらの名前を使うかということで意見が分かれ今に至ったため、名前が 2つ存在することになったようです。
現在は、水族館ではバンドウイルカが多く使われみなさまも馴染みがあると思いますが、中にはハンドウイルカを使っている水族館もあります。この辺りはやや緩い感じですかね・・。
ただ、論文など正式な場では主にハンドウイルカを使うようです。
ではその由来ですが、一説として、半道海豚の「半道」とは半端な道ということで「中途半端」という意味で、これはハンドウイルカの体長が 4m近くになることで、イルカかクジラかよく分からない中途半端な大きさ(イルカとクジラの違いについてはイルカ・クジラ入門 1を参照ください)ということから付けられた、といった説や、笑っているような顔を歌舞伎用語でおかしみを帯びた三枚目や道化役者を意味する「半道」に見立てた説などがあります。ですが、どちらもあくまで一説で正確には分かっていないようです・・。
では、坂東海豚の方ですが、こっちはほとんど資料がなく、手がかりも掴めませんでした・・。
ただ、「坂東」とは関東地方の古名で、「坂」は令制で駿河と相模との境をいい「常陸国風土記」という書物にも「相模国足柄の坂より東」とあるそうです。
関東でもよく見られるからということなんでしょうか・・?
結局、バンドウもハンドウも正確には分かりませんでした・・。すみません。
気を取り直して、学名です。
まずTursiopsは、ラテン語で「イルカのような動物」という意味のtursioと、ギリシャ語で「顔」を意味するopsからきています。これは回りくどくいっていますが、つまりイルカという意味です。
続いてtruncatusは、「断ち切る」の意味のラテン語truncareに由来しています。断ち切る?・・??ですよね。こっちはやや説明が不足していますが、断ち切るというのは、バンドウイルカの吻先が、断ち切られたように太くて短いところから来ているようです。
つまり、まとめると「吻が断ち切られたイルカ」と言いう意味です。案外普通でしたね・・。学名なんてこんなもんですよ(笑) 世界共通の名前ですから誰にとっても一目瞭然でとっても分かり易くなければダメなんです(^^)
英名は、伸びた吻先から、Bottlenose dolphin「瓶のような鼻のイルカ」という意味です。
続いて体の特徴についてです。
大きさは、最大で 3.9mになるそうです。これは大きいですねー。“えのすい”に暮らすバンドウイルカの+ 1mくらいですね。体重は 300kg前後で、歯の数は上下合わせて 80~ 100本です。
次に生息域です。
北極圏、南極を除く世界中に広く生息しており、日本でもよく見られます。
最後に生態などです。
とにかく大変好奇心旺盛です。“えのすい”に暮らす他の種と比べてもダントツですね。また、適応能力に非常に高いです。
1914年に初めて飼育に成功して以来、世界中の水族館などで飼育されています。おそらく最も多く飼育されている種ではないでしょうか。
ちなみに、“えのすい”のバンドウイルカは全部で 9頭、そのうち、“えのすい”生まれが 6頭です。ぜひ会いに来てくださいね!
ざっと、こんな感じでしょうか。
名前についてのボリュームが多く、だいぶ尻すぼみになってしまいましたが・・(^_^;)
いかがでしたか?
これにて、この詳しくなろうシリーズは無事終了です。
入門以外で書く機会があれば他の面白そうな種も書いてみたいですね(^_^)/
それでは失礼いたします!