2016年12月01日
トリーター:鈴木

沿岸水槽の新たな人気者

テンステンス

こんにちは、鈴木です。
最近、大水槽脇にある沿岸水槽に新たなメンバーが仲間入りしました。
その名も・・・す、いやいや、テンスです!(変換が面白かったので・・・)
普段私が紹介するおすすめの魚はもれなく地味でマニアックな魚で基本的に色彩もモノトーンなのですが・・今回は違います。
名前だけを聞くとやはり玄人向けな感じですが、今回の新メンバーは体色、姿、性格(生態)などは人気者要素をたっぷりと含んでおります。

まず、体色。大変カラフルです。現代アートのようなビビットな色使いで縁取られた外枠の中に、色彩豊かな西洋水彩画のような見事なグラデーションが施されております。
塗り絵にしたら難易度は高そうですよ。

そして、姿。一見、間の抜けたおとぼけな表情。でも、ずっと見ていると愛くるしい、ゆるキャラ要素豊富なとってもかわいらしい顔をしています。
しかも、メガネモチノウオ(通称ナポレオン)などのベラの仲間に多いのですが、目がキョロキョロと動きます。これはポイント高し。

最後に性格(生態)。こんなことを言うとテンスに怒られそうですが・・、頑張り過ぎていないおっとりとした雰囲気で、他からの干渉を受けない独特の空気感を持っているような感じがします。
そして何より、彼らの一番の特徴は、夜間休息する際や身の危険を感じた時などに、横になって砂に潜ることなんです。これまた高ポイントですね。

因みにこの‘寝方’については、更なる人気加点ポイントがあるんです。
観察している限りでは、朝方はまだ砂の中で寝ていることが多く、基本的にはほぼ全身埋まっているのが本人(魚)的には正解なのでしょうが、時々ユニークな寝方をしている時があります。
まるで砂の布団をかけているようかのように上半身だけ出してみたり・・、時には、え?それでいいの・・と思わずツッコみたくなるような、頭だけを斜めに砂に突っ込みながら体半分をほぼ露出して寝てみたり・・(さすがにこれはみんな、最初死んでると思いました)、と、ユニーク・・というより、もはやわざとやってる?と思うくらい、あざとい寝方をすることがあります。この人気者めっ!

朝寝坊気味ですので(起こさないとずっと寝ている可能性も有り)、開館後間もない時間は、寝ている姿を見られるかもしれません。※あまりにも見えない状態で寝ている時は開館前に起こすことがあります。

さて、そんな新たな人気者のテンス、実は今までうまく飼育、展示できたことが無く、ほぼ手探り状態だったんです。
とりあえず、展示には至り、今のところ水槽で落ち着いてくれてはいますが、まだ摂餌行動は観察できていないので気は抜けない状態です。
展示へ出すまでに至っても一筋縄では行きませんでしたが、やはり、餌をしっかりと食べるようになってようやく飼育ができているといえますので、飼育の苦労話については、きちんと飼育ができるようになってから改めてお話しさせていただければと思っております。
そもそも書き始めると長くなりますしね・・。

もしかすると短期の展示なってしまうかもしれませんが、ぜひみなさまこんなユニークで愛されキャラな新たな人気者テンスを見に来てくださいね。テンスは現在、大水槽脇スロープの長い水槽に入っています。

日中も砂に潜っていることが多々ありますので、その場合は微かに出ているピンク色の体をよーく探してみてください。
それも無かった時は悪しからず・・申し訳ありませんm(__)m


カメラ目線


砂に潜っているようす


隠れているつもり?


ちゃんと顔洗ってください

相模湾ゾーン

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