2018年09月30日
トリーター:加登岡

日々馴らす

カマイルカの「セブン」のトレーニングを何度かトリーター日誌で報告していますが、今回もまた新しいトレーニングを紹介します。

現在Sトリーターと「セブン」が担架に乗れるようになるよう、トレーニングをしています。
担架に乗ることは動物にとって身動きが取れなくなってしまうため、怖いことです。そこをどうすれば落ち着いていられるか、Sトリーターも試行錯誤をしています。

通常何かのトレーニングは、1人の人が完成までトレーニングを組み立てます。
これは人により僅かに褒めるポイントが違うため、動物に何が正解か迷わせないようにするためです。
そのため担架に乗せるトレーニングは、Sトリーターが全てトレーニングを組み立てます。
同じ「セブン」担当として何か手伝えないかと考えました。
それで思いついたのが、「セブンに抱きつこう!」ということです。
みなさんの頭にはおそらく「?」が浮かんだでしょう。
「担架」と「抱きつく」が、一体何が結びつくのか。
それは「保定」です。
担架に乗せるトレーニングの目的は、「セブン」に体調の不良があった時に、水中では治療ができないと陸に上げなければなりません。そこで普段から担架に乗ることを馴れさせておけば、ストレスをかけなくて済みます。
担架にくるんだ時点で保定することになります。

では「抱きつく」はというと、水面で「セブン」に人が抱きつくので、「セブン」は身動きが取れません。そのため保定されていることになります。
イルカによっては抱きつくことは遊びの 1つですが、「セブン」は馴れていないため、まだ緊張しています。
私自身も保定というより遊びとしてやっていますが、当の本人(「セブン」)は緊張のため目を大きく開きこちらを見ています。
これが「セブン」の中で遊びに代わる時まで続けていこうと思います。

担架のトレーニングの方が馴らすことが難しいため、抱きつくトレーニングを並行しておこなうことで、「保定」されていることに対して馴れてくれれば、担架のトレーニングも進みが早くなるのでないかと思っています。

はたして結果はどうなるか。それは「セブン」のみぞ知る所です。

イルカショースタジアム

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