2021年01月01日
トリーター:杉村

2021年 新しい年の始まりです、明けましておめでとうございます。

“えのすい”から見た「富士山」“えのすい”から見た「富士山」

今朝の江の島は、大みそかからの冷え込みもあり寒かったのですが、日の出とともに日の当たる場所は徐々に暖かさ感じる朝でした。
空気はとても澄み切って、“えのすい”から見る富士山と江の島がとてもきれいに見えて、ちょっと得した気分でした。


“えのすい”から見た「江の島」

今年は「丑」年ですね。
かなりベタなようですが、「丑“ウシ”」にちなんだ生き物といえば、“えのすい”では「Jewerium(ジュエリウム) Vol.2」で12月26日からとてもきれいに着飾った「ウミウシ」たちを紹介しています。
・・・が、今回はその他にも“えのすい”で見られる「ウシ」を紹介します。

まずは・・・
相模湾ゾーン シラスサイエンスのカタクチイワシの水槽の中に2種類、「クロウシノシタ」と「シマウシノシタ」。
クロウシノシタは高級魚になるシタビラメの仲間で、形が牛の舌に似ていることからその名が付いたとされています。
ちなみに英名も「Black cow-tongue“黒い牛の舌”」なんです。
シマウシノシタ(ササウシノシタ科)は、クロウシノシタ(ウシノシタ科)とはちょっと違う仲間になり、さらに眼の位置が逆の右側になります。
縞模様がくっきりとあるので、区別は簡単ですが、よく砂に潜っていますので、目を凝らして見てみましょう。


クロウシノシタ(シラスサイエンス)


シマウシノシタ(シラスサイエンス)
[ 相模湾ゾーン ]

そして・・・
深海Ⅰには、隠れ「ウシ」が2種類。
相模湾の深海湧水域から「ヘイトウシンカイヒバリガイ」と小笠原の深海熱水域から「シチヨウシンカイヒバリガイ」。
・・・どこに「ウシ」が隠れているか・・・は、よ~く名前を探して見てください。
これらの種は、磯場や漁港などにいるムラサキイガイやパエリアに出てくるムール貝の仲間の二枚貝で、それぞれ鰓内に共生菌を共生させている、超~特殊な二枚貝です。
これまでの研究で、湧水域に住む「ヘイトウシンカイヒバリガイ」は、メタンをエネルギー源にする「メタン酸化細菌」を、熱水噴出域に住む「シチヨウシンカイヒバリガイ」は、硫化水素をエネルギー源にしている「硫黄酸化細菌」をそれぞれ共生させていることが分かっています。
また、イガイの仲間のほとんどは浅場の沿岸域に卓越して存在しているにもかかわらず、シンカイヒバリガイ類は深海の1000m付近の深い場所で生活していますが、実はこれらの種をつなぐ種が200mより深い場所では見つかっていないことから、どうやってシンカイヒバリガイたちが深海にたどり着いたのかは、未だ謎で研究段階であるという未知な生物です。
ちなみにイガイの仲間ですから、貝の隙間から水管を出して呼吸したり、足糸という糸を出して殻を固定したり、移動したりしていますよ。


ヘイトウシンカイヒバリガイ(深海Ⅰ:化学合成大水槽)


シチヨウシンカイヒバリガイ(深海Ⅰ:ゴエモンコシオリエビ水槽)
[ 深海Ⅰ~JAMSTECとの共同研究~ ]

テーマ水槽では、今月まで「ウシエビ」みられます!


ウシエビ

明るい一年となることを願って、新たな年のスタートを切りたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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