2023年11月26日
トリーター:長野

教えて!トリーター!part10 ~飼育動物のために 基礎編~

みなさん、こんにちは!
ここ数日で寒くなったり、暖かくなったりと身体に堪えると思いますが、体調には気をつけてお過ごしください!

では早速ですが、いきます!今月のショータイム!

冬の目標達成!その1!
前回のトリーター日誌(2023/10/10)で今年の冬は活発的に活動したいと思い、2つの目標を掲げました。
それが、天体観測とキャンプ。
そして今回、早々と達成したのが天体観測です。

訪れたのは長野県の阿智村。
阿智村と聞いて「お!」と思った方がいるかもしれませんが、実は平成18年に環境省によって“日本一星空の観測に適した場所”として認定されました。

実際に撮影した写真がこちら!

雲ひとつない満開の星空。
そして流星群と時期がかぶり、流れ星もたくさん見ることができました。

赤丸はオリオン座。
寒い中でしたが、最高の夜になりました。
また、天体観測に行ったらお伝えします!

ここからが本題です!(笑)

前回のトリーター日誌でお話しした環境エンリッチメントについて少しお話しします。
前回は環境エンリッチメントがどのようなものかをお話ししましたが、今回はエンリッチメントにはどのようなものがあるか。
水族館や動物円では動物の飼育環境を本来の生息地環境に少しでも近づけるようにエンリッチメントをおこないます。
エンリッチメントは、以下の5つの方法に分類することができます。

1, 採食
多くの野生動物は、一日の餌を探し、取り、食べることに費やしていますが、飼育環境ではすぐに餌が手に入り、残りの時間を退屈にすごすことになります。動物が、野生本来の採食行動を発現できるよう、餌の種類を増やしたり、与え方を工夫したり、回数を増やすなどの工夫をします。

2, 社会
群れを作ってくらす動物は、群れで飼育します。オスメスの数や年齢の構成も野生に似せます。また、トレーナーや他の動物との社会的な刺激も、効果的です。

3, 認知
知能の高い動物にとって、頭を使うこともエンリッチメントになります。また、複雑な動きをするおもちゃの設置や、遊具の導入設置も方法の一つ。

4, 感覚
見晴台を作ったり、新しい動物の匂いをつけたり、他の群れの声が入ったテープを流したりします。五感を刺激して、環境に変化をもたせます。

5, 空間
木の上でくらす動物には登ることができる場所、水を使う動物には水場をつくるなど、動物の行動特性に配慮した空間作りをおこないます。平面的な広さだけでなくその空間の内容が重要です。ロープやハンモックを取り付けると、立体的に利用できる空間が広がります。
(市民ZOOネットワークより一部抜粋)

このように環境エンリッチメントには動物に幸福なくらしを提供するための方法が幾つもあります。ですが、担当する飼育員が満足するだけでは動物のためにはなりません。
実際に動物の状態や行動にどのような変化が起きているのかを分析・評価をする必要があります。
ではどのようにエンリッチメントを評価するのかは、次回お話しします!

写真に写っているのがバンドウイルカの「ルイ」と「サワ」。このように何気ない動物たちとの関りがエンリッチメントに繋がっているのかもしれませんね。

12月からイルカショースタジアムは改修工事のため閉鎖になります。
みなさんとお会いできる回数が減ってしまいますが、パワーアップして帰ってくるのでお楽しみに!(笑)

バックナンバー
教えて!トリーター!
教えて!トリーター! part 2!
教えて!トリーター! part 3!
教えて!トリーター! part 4!
教えて!トリーター! part 5!
教えて!トリーター! part 6!
教えて!トリーター! part 7!
教えて!トリーター! part 8!
教えて!トリーター! part 9

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