2007年08月25日

伊豆・小笠原弧、明神海丘・明神礁・べヨネーズ海丘(2)8月25日 土曜日 曇りのち晴れ
深海調査航海NT07-17 ~未だ知られざる熱水噴出域を求めて~
2日目:調査船は研究者ばかりじゃない

  • 期間:2007年8月24日〜 2007年9月2日
  • 場所:伊豆・小笠原弧、明神海丘・明神礁・べヨネーズ海丘
  • 目的:明神海丘、明神礁、べヨネーズ海丘における熱水鉱床探査
  • 担当:根本


航海 2日目。朝6時半頃目を覚まし、“えのすい”のユニフォームに着替え、メールのチェックをしに通称“ 2ラボ”といわれる第 2ラボラトリーに向かった。
この“ 2ラボ”は主に研究者がパソコン作業や次の日の潜航についてのミーティングなどをおこなう場所。ここにはプラズマハイビジョンテレビがあり、船の外に取り付けられているカメラの映像やリアルタイムの深海の映像がハイビジョンで見ることができる。
ちなみに普通のテレビ番組を見ることもできる。海のど真ん中でも衛星放送は映るのだからすごい!ニュースもバッチリ見られるので、いくら船に乗っていても時代に取り残されてしまうことはないので安心なのだ。

“2ラボ”で椅子に座り、テレビをつけて船尾のカメラの映像を見ると、すでに運航チームのみなさんが船尾で作業に取り掛かっていた。
きょうは「フリーホール」という無人探査機「ハイパードルフィン」のケーブルを海に流してよじれを取る作業を現場海域の近くでおこなう予定で、すでにその作業を始めていたのだ。
ちなみにきょうはこの作業で 1日使ってしまうので、潜航はあすからだ。きょうはそんな研究者以外の働く方々を少し紹介したいと思います。

深海調査をおこなう研究船には、もちろん研究者だけではなくさまざまな人たちが乗っており、船長をはじめ船を動かす船員のみなさん、今回の調査の主役である無人探査機「ハイパードルフィン」のメンテナンスから操縦までおこなう運航チームのみなさん、我々研究者の研究を一生懸命アシストしてくれる観測技術員の方(今回は女性の方 1名)、そして朝昼晩のご飯を作ってくれる厨房の料理人のみなさん。総勢 35名の方々が深海調査の支援をしてくれるのだ。

この中で我々研究者と最も関係が深いのが観測技術員と運航チームの方々。ハイパードルフィンの運航チームは研究者の、ありとあらゆるリクエストに全力で取り組んでくれる。
研究者が持ち込んだ調査機材をハイパードルフィンに装備するところから、深海へ潜航後はマニピュレーターと呼ばれる両腕を操縦し、その機材を操作するのも運航チームがおこなってくれる。研究者は運航チームの努力のおかげで自分の思ったように調査ができるのだ。
そして深海の映像録画のための機材のセッティングや作業などのサポートをしてくれながら、運航チームと研究者の間をうまく取り持ってくれるのが観測技術員の方。自分が過去に乗った 5回の航海はすべて女性だった。みなさん明るく元気な力強い方ばかりで、男ばかりでムンムンとした船内の空気を清浄化するうえでは、絶大な力を発揮してくれていた。

このように、深海の研究にはさまざまな方々の努力と協力によって成り立っているのである。
あすはいよいよ潜航日!あすの潜航場所は明神海丘。どんな生き物が採れるのか楽しみだ!

[きょうの写真]
フリーフォールをおこなうハイパードルフィン運航チームの方々

(C)JAMSTEC(C)JAMSTEC


海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT07-17「なつしま/ハイパードルフィン」による明神海丘、明神礁、べヨネーズ海丘における熱水鉱床探査潜航

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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