無事、石垣島にてなつしまから下船です。
ある人はうきうきと観光へ、ある人はへとへとで足早に空港へ、さて私はといえば、深海生物を無事に送り出してから、石垣島内へ調査採集に出発です。
きょうは三宅さんと一緒です。
訪れたのは海にほど近い水田用水路です。
水田の間を流れてそのまま海に注ぎ、その周辺が小規模なマングローブになっています。
三宅さんが数年前の深海調査後にも一度来ているポイントで、その時釣り上げた大物ホシマダラハゼは、現在も今上天皇のご研究コーナーにて展示飼育中です。
現場に着くや否や、私は胴長をはいてハゼやカニを探し、三宅さんはルアー釣りで別行動です。
早速辺りの転石や倒木をひっくり返すと、本島でも出会った「木登りカニ」たちやミナミトビハゼが素早く駆けていきます。
水路をさかのぼりながら物陰に網を入れると、さっそく色々出会えました。
ヤエヤマノコギリハゼ、石垣島以外では採ったことがありません。
コチのような細くて平たい口、ヒルギやアダン(タコノキ)の水中部分に逆立ちして定位する生態、是非とも展示でお見せしたいです。
喜び覚めぬまま水面に目を凝らすと、メダカよりも小さな魚が群れています。
ゴマハゼという日本最小の魚で、その小ささに似合わぬ精密な動きが魅力的です。
さらに水路を少しさかのぼり、段差の下にできた淵をさぐると、バシャッと大きな手ごたえあり。
巨大なオオウナギです。
旧江の島水族館でも展示していたマダラ模様の迫力ある魚です。
喜んで抱えて戻ると、ぼうず(何も釣れないの意)の三宅さんが顔を真っ赤に焼いてたたずんでいたので、写真を撮ってもらいました。
さすが石垣島、那覇と似ているけど明らかに違う!
これは勉強になります。
というわけで、あすもまだまだ島に滞在します。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。