2009年01月21日

沼津 戸田(5)戸田トロール2 / 北嶋

  • 期間:2009年1月19日〜2009年1月21日
  • 場所:沼津市戸田
  • 目的:深海生物調査採集
  • 担当:根本 ・ 北嶋


漁場に着くまで漁師さんと談話し、しばし休息。
うとうとしてたら、ガラっと扉が開いた。
まだ薄暗いが、空はほんの少し明るくなってきてる。
漁場に到着です。
波はちょっとある程度。そんなに寒くもなく、なんだかいけそうだ。
そして漁師さんたちは網を仕掛ける準備を。我々は生き物を活かしたまま連れて帰るための準備に取り掛かった。

網を落として曳いて揚げるまでには、それぞれ時間がかかる。
なにせ 100mやら 200m底まで落として曳くのだから。
その一連の作業をチームワークでどんどんこなしていきます。

そして、網があがってきた。
なかにはごっちゃりと生き物が。
漁師さん目当てのエビがほとんどだが、それに混じって強面の深海魚やら得体の知れないような不思議生物がたくさん。
その生き物たちを弱らないように手際よく仕分けてバケツへいれていく。
水圧と網にやられてしまっているものもいたが、海水に戻すと復活してくれたりすることがあるので、とりあえずいち早くバケツへ。
こちらの作業が終ったら、漁師さんの手伝いをしつつ仕分けを続ける。仕分けが終らないうちに間髪入れずもう次の入網作業が始まる。
この繰り返しが 6回続きます。

曳く場所によって入る生物相も違うからおもしろい。
ブンブクばかりの場所や、サメが多く入る場所。タカアシガニが何匹もはいっていた場所もあった。
みっちり午後 3時まで漁をし、帰り道も3時間コースです。
海は気付いた頃には驚くほど穏やかになっていて、わたしもちょっと酔った程度で無事(トイレも行きたくならず)終了です。
かなり動き回ることができたおかげで、帰る頃には
「漁師になれ!」
と勧誘までされてしまいました。

海況がよかったおかげもあって、今回たくさんの生き物たちを採集することができました。
ほとんどの生物は、深海コーナーでさっそく展示しています。
いちばん見て欲しいオススメ生物は「メンダコ」です。
網にはかかるのに良い状態でつれて帰ってくることが難しい生き物なのです。
メンダコは飼育するのもとてもむずかしいですが、元気につれてかえってこれたのだから長生きできるようにしたいものです。

曳き揚げ中曳き揚げ中

網に入った様々な生物網に入った様々な生物

メンダコメンダコ


※メンダコの展示は終了しました。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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