おはようございます。今朝早くに船は沖縄本島北部にある調査海域に着いたのですが、現場ではすでにマグロ漁船がはえ縄漁の真っ最中でした。
万が一、はえ縄が「ハイパードルフィン」にからまっては大変なので、本日の調査はあきらめ、船は西の「鳩間海丘」へと転進です。
波はとっても穏やかなのにおしいです。
そんなこともあり、本日は朝から調査方針について研究者間で熱いミーティングがおこなわれました。
今回乗船している研究者の多くはいわゆる生物屋さんではなく、水質やウィルスを扱う専門家のみなさんです。
どこでどう水を採るか、誰々さんのサンプルから先に採った方が効率的だとか、作業効率の話がメインでした。
私にはそうした調査の詳しい内容までは完全に理解できませんでしたが、船のサンプリングが「時間との戦い」でもあることは伝わってきました。
次にまた船に乗れる保証はありませんし、もしかしたら、同じ水域で調査できる最後のチャンスになるかもしれないのです。
ですから研究者たちは与えられた機会を最大限に生かそうとします。それは水族館も同じですね。
それでは、あしたこそ珍しい深海生物に会えることを祈りたいと思います。
[きょうの写真]
上/ひさしでちょっとは涼しそうなハイパードルフィン
下/セットし終えた多数の水槽
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT09-11「なつしま/ハイパードルフィン」による沖縄トラフ・伊平屋北熱水活動域及び鳩間海丘における深海調査航海
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています