きょうは乗船予定地の名護に向かってゆく途中にあるマングローブや河口に行ってみました。
今回の陸域調査では、これまであまり注目してこなかった「影の主役」いぶし銀の生物を意識して調査にのぞみました。
少し深くなった橋脚の部分では黒っぽい小魚が群れていました。
「スミゾメスズメダイ」という汽水性のスズメダイです。
近くで見てみると青銅色に輝き、ちょうどメジナのようなつるっとした質感が気持ち良いです。近づくと岩のくぼみにすぽすぽっと隠れます。そのようすはまるで、岩が魚を吸い込んでいるようで、なかなか面白いです。
岸に近いところの小石の下からは、これまた黒っぽい「クロハギ」が出てきました。日本ではほとんど唯一の「川のニザダイ」です。小石の下に横向きに潜り込んで隠れる性質があるのでしょう。バケツ内でもペラッと寝ていることがあります。
小さな縞模様の魚は「ゴマフエダイ」の幼魚です。
肉食性のきかんぼうです。小さい時はこんな色ですが、成長したものは赤い色をまとうことを許されます。大水槽に1匹泳いでいますね。
どの「黒」も現地では珍しい、というほどではありませんが、その色合いのせいか、ほとんどクローズアップされることがありません。
スミゾメスズメダイはマングローブ水槽で展示をスタートしております。地味ですがなかなか見られません。この機会にぜひご覧ください。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。