2009年08月07日

沖縄マングローブ調査(2) 7月25日 マングローブで黒い珍魚に出会う

  • 期間:2009年7月24日~
  • 場所:沖縄
  • 目的:マングローブ調査
  • 担当:伊藤


きょうは乗船予定地の名護に向かってゆく途中にあるマングローブや河口に行ってみました。
今回の陸域調査では、これまであまり注目してこなかった「影の主役」いぶし銀の生物を意識して調査にのぞみました。
少し深くなった橋脚の部分では黒っぽい小魚が群れていました。
「スミゾメスズメダイ」という汽水性のスズメダイです。
近くで見てみると青銅色に輝き、ちょうどメジナのようなつるっとした質感が気持ち良いです。近づくと岩のくぼみにすぽすぽっと隠れます。そのようすはまるで、岩が魚を吸い込んでいるようで、なかなか面白いです。

岸に近いところの小石の下からは、これまた黒っぽい「クロハギ」が出てきました。日本ではほとんど唯一の「川のニザダイ」です。小石の下に横向きに潜り込んで隠れる性質があるのでしょう。バケツ内でもペラッと寝ていることがあります。

小さな縞模様の魚は「ゴマフエダイ」の幼魚です。
肉食性のきかんぼうです。小さい時はこんな色ですが、成長したものは赤い色をまとうことを許されます。大水槽に1匹泳いでいますね。
どの「黒」も現地では珍しい、というほどではありませんが、その色合いのせいか、ほとんどクローズアップされることがありません。

スミゾメスズメダイはマングローブ水槽で展示をスタートしております。地味ですがなかなか見られません。この機会にぜひご覧ください。

ビ○ラン○?こちらに迫ってくるような迫力「オヒルギ」ビ○ラン○?こちらに迫ってくるような迫力「オヒルギ」

川のスズメダイ「スミゾメスズメダイ」川のスズメダイ「スミゾメスズメダイ」

川のニザダイ「クロハギ」川のニザダイ「クロハギ」

川の“タイ”「ゴマフエダイ」川の“タイ”「ゴマフエダイ」

太平洋

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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