展示も残すは1週間です。
まだまだ猛暑が続くこの頃ですが、日はだいぶ短くなり、夕方19時にはもう真っ暗です。
秋の虫の声がかなり賑やかになってきました。
展示スタート時にはまだ終齢幼虫だったショウリョウバッタも、立派な成虫になっています。
最近の私の採集物は昆虫そのものではなく、かれらの餌の草っ葉です。エノコログサやオヒシバ、イヌムギ、コウボウシバなど、主にイネ科の植物を食べるのですが、相変わらずすごい食欲です。
展示では、装飾したプランターにこれらの草をワッサリと植え込んで与えるのですが、3~ 4日で上のほうはすっかり食べられ「スポーツ刈り状態」にされてしまいます。
バッタ類の食欲のすさまじさは一昨年に、川魚のジャンプ水槽脇で展示した時に経験済みでしたが、やはり惚れ惚れするような食べっぷりで、こちらも餌の用意のし甲斐があります。
また、ショウリョウバッタの空間認識能力はかなり高く、水槽のちょっとした隙間からでも器用に飛び出してきます。
野外で採集していても、虫カゴのフタをちょっと開けた瞬間に抜け出したりします。まるで、これから人間(私)がフタを開けることが分かっていたかのようです。
こうした貪欲さと器用さを併せ持つからこそ、国産昆虫最大級の種であるにも関わらず、都市部でも繁栄を続けることができるのでしょう。
採集に出かけると、図鑑に載っていないような昆虫の思わぬ性質を見ることができます。それがまた楽しいのです。
展示が終わったら、しばらく昆虫を扱うことはなくなるかもしれませんが、子どもが物心ついたら、自分も童心に帰って一緒に虫採りしたいと思うこの頃です。
それでは、またお会いいたしましょう。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。