みなさまこんにちは。きょうはまた姉沼に来ています。
目的は夏から本格的に始まる貝の生息実態調査の事前踏査。
昨年の調査で、沼内には4~5種類の淡水二枚貝がごろごろ大量に生息していることが分かりました。
とはいえ、種類によって、好きな場所、嫌いな場所などがあるはずです。より詳しく調査することで、貝に必要な環境を知ることが目的の一つです。
ところで、なぜ姉沼で調査をおこなうのでしょうか。
それは、全国的に絶滅に瀕しているイシガイ類のいくつかにとって、姉沼が「最後の砦」ともいうべき場所になっているからです。
中にはイケチョウガイのような国内移入種もいるわけですが、原産地の琵琶湖では生息状況が極端に悪化しており、もう「どんな環境が好きなのか」を調べることは難しくなっています。
しかし今なら、姉沼で生息に適した環境を調べ、他の水域における生息適地の保護や保全復元に応用できるはずです。そのチャンスはもう、今しかないかも知れません。
水族館ができることは、こうして調査に参加協力することはもちろんとして、展示として見ていただいたり、こうして文章や写真を通して現状を知っていただいたり、教育プログラムなどを通じてお話をさせていただくことがあります。
今回、研究のために姉沼のヨコハマシジラガイを少し持ち帰ります。
5月のテーマ水槽で展示しますので、ぜひご覧になってみてください。
あまりに地味なその姿に驚くかも知れません。そんな存在が人知れず絶滅に向かっていて、それに歯止めをかけたいと奔走する人々がいることを知っていただけるだけでも、大変嬉しいです。
個人的に今回の出張は、10周年展示の準備などで疲れた心身を癒すよい機会でもありました。
それでは、またお会いいたしましょう。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。