2015年07月31日

中部沖縄トラフ調査航海(5)5日目

  • 期間:2015年7月27日~2015年8月7日
  • 場所:中部沖縄トラフ
  • 目的:中部沖縄トラフ熱水活動域における熱水化学および化学合成(微)生物学調査
  • 担当:杉村


本日も予定通り潜航を開始しました。
潜航開始時間は、ちょっと遅めの21時です。
今夜もナイトダイブです。



ハイパードルフィンは潜航中!

今夜はきのうとは違う熱水サイトです。
海底は溶岩が続いている印象を受け、既に熱水の出終わった“デッド・チムニー”と呼ばれる場所と、依然として熱水の噴いているアクティブな場所を見ることができました。
チムニーは、前方にうっすらと影が見えると徐々にその姿を見せはじめます。
ちょっとした山が迫ってくる感じですね。
デッド・チムニーではあまり生物を見ることができないのでとても不気味な感じをかもし出し、ファンタジーものによく出てくる、ラスボス(最終ボス)の住む恐ろしげな山を連想させます。
チムニーがいくつも連なるように残っているのでなおさらです。
熱水の噴き出るアクティブな場所には、ゴエモンコシオリエビやオハラエビ、場所によってはハオリムシの仲間もみられてとても賑やかです。
このサイトのハオリムシの仲間はコロニーを作って集団で生活しているため、スダレを思わせる密生をしていたり、岩に生えたドレッドヘアーのように垂れ下がったりしていろいろなコロニーの形があってとても面白いです。

夜間の潜航調査をおこなっていますが、生物たちに昼と夜とであまり変化あるようには見えませんでしたね(これまで見てきたようすとさほど違いは見られませんでした)。
ふと、深海生物たちには時間の感覚はあるのかな?・・・ とも考えてしまいます。
水族館で飼育していたシロウリガイを観察していると、彼らは深夜でも動き回りますからあまり関係ないかもしれませんね。
きっと、普段からエネルギーの消費を抑えているのかもしれません。
深海生物は動きがとてもゆっくりですからね。

今の私は深海生物と違って昼夜逆転はなかなか大変です。
体調を崩さないよう、残りの潜航頑張りたいと思います。

それではまた、あした。

どこから迷い込んだのか・・・


JAMSTEC(海洋研究開発機構)NT15-14「なつしま/ハイパードルフィン」による中部沖縄トラフ熱水活動域における熱水化学および化学合成(微)生物学調査

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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