2015年08月03日

中部沖縄トラフ調査航海(8)8日目

  • 期間:2015年7月27日~2015年8月7日
  • 場所:中部沖縄トラフ
  • 目的:中部沖縄トラフ熱水活動域における熱水化学および化学合成(微)生物学調査
  • 担当:杉村
夕焼けの海のハイパードルフィン夕焼けの海のハイパードルフィン


本日は、伊平屋北海丘への潜航。
水深 982mにあるNBC(North Big Chimney)というポイントへ向かいました。
数か所からブラックスモーカーが噴き出る、高さ 10mはあろうかというとても巨大なチムニーで、緩やかに揺らぐところから高温で勢いよく噴き出るところまでさまざまな熱水噴出口が見られます。
ここでの主なターゲットはゴエモンコシオリエビ!
NBCには多くのゴエモンコシオリエビが集まっているチムニーがあります。
ゴエモン銀座ですね。
NBCのいくつもある熱水噴出口をポイントにして、パッチ状にゴエモンコシオリエビが集まって大小さまざまなゴエモン町を作っています。
船上で、胸毛の共生菌の培養実験や飼育環境実験がおこなわれるため、ゴエモンコシオリエビをある程度サンプリングする必要があります。
ゴエモン町を1丁目ほどサンプリングすると、その空き地に隣組のゴエモンたちがもぞもぞと移動を始め、瞬く間に埋めてしまいました。
この町のゴエモンにとって、1丁目はよほど環境がいいんですね。
なぜここがいいのかはゴエモンたちに聞いた方が早いと思いますが、それは無理なので勝手に町の中にお邪魔して海水を採水して計測します。
いくつかのゴエモン町で同じように採水と計測を繰り返して、ゴエモンコシオリエビにとって最適な生活環境を把握して、船上実験や長期飼育に生かします。

下船後は水族館で飼育実験を繰り返して、大気圧下の水槽でゴエモン銀座を作りたいです。
うまく飼育すれば2年ほどは飼育できますが、未だ化学的に証明できていません。
ここを課題に飼育研究をおこないたいと思っています。

あすからは、海底のマッピング調査です。
ゴエモンたちの飼育に没頭したいと思います。
ではまたあした!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)NT15-14「なつしま/ハイパードルフィン」による中部沖縄トラフ熱水活動域における熱水化学および化学合成(微)生物学調査

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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