2016年05月05日

相模湾初島沖調査航海(1)1日目

  • 期間:2016年5月5日~2016年5月9日
  • 場所:相模湾初島沖
  • 目的:深海生物調査 採集
  • 担当:杉村
JAMSTECまで荷物を私を運んでくれた鈴木トリーターJAMSTECまで荷物を私を運んでくれた鈴木トリーター


春の大型連休は楽しく過ごしていますか?
連休中に“えのすい”に遊びに来ていただいたみなさん、ありがとうございます。

私は今、相模湾の初島近くの海の上にいます。
約2年ぶりの相模湾の調査航海に参加して、大型連休を船の上で仕事に励んで?!おります!!
これまで3度ほど相模湾初島沖で支援母船「なつしま」・無人探査機ハイパードルフィン(HPD)の調査航海に参加させていただきました。
昨年度をもって慣れ親しんだ「なつしま」は残念ながら退役したため、今回は2013年に就航された新しい「新青丸」という調査船です。


新青丸

探査機は、もちろんHPDです。
※「なつしま」と比べると若干トン数が小さいくらいで差ほど変わりないですが、足は速い船です。

新青丸は、東日本大震災の後の東北海洋生態系調査を目的として建造されました。
ディーゼルで主発電機を回して、電気の力で航行する船だそうです。
そのせいでしょうか、離岸するときにこれまで「なつしま」でしていた、ゴゴゴッゴーという独特の音はせず、しずしずと離岸を始めて、いつの間にか相模湾をめざして航行していました。

新青丸には生物を収容(船上で飼育する)できるような大型のコンテナ冷蔵室がありません。
そのため、今回はラボ内に水槽を置かせもらい、水槽4台と冷却用クーラーを駆使して望みたいと思います。
乗船している研究者の数もこれまでの約半分の8名ですので、ラボ内をうまくシェアすることができました。(研究者のみなさん、ありがとうございます。)
この航海は初島沖です。我々はこの海底1000m付近に生息しているシロウリガイの長期飼育実験用の生体サンプルの採取が目的になります。

“えのすい”では、過去10年ほどの間に飼育日数を着々と延ばして、173日まで飼育が可能になってきました(飼育開始当初は3日)。
ここ数年でJAMSTECとの共同研究のもと、多くの研究者のみなさんの協力を得て、シロウリガイの飼育条件について課題を見いだせるようになってきました。
今回のサンプルも水族館に持ち帰って深海Ⅰにある化学合成生態系水槽を使って、飼育システムの確立を目指して飼育実験をおこないます。

さて、あすから調査が始まります。
2年ぶりの水深1000mのシロウリガイコロニーはどうなっているのでしょうか?
この「目」で早く確かめてたいですね。

乗船してから、船上飼育の準備でクタクタですが、ちょっと興奮気味なので寝られるか心配です。

それでは、またあした。

こどもの日:鯉のぼりとHPD


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS16-04「新青丸/ハイパードルフィン」による深海生物調査 採集

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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