2019年12月26日

豊潮丸 硫黄島周辺海域生物採集調査航海(8)航海日誌 8日目/足立

  • 期間:2019年11月1日(金)~2019年11月8日(金)
  • 場所:鹿児島県硫黄島周辺海域
  • 目的:ドレッジやプランクトンネット、潜水による生物の採集および海洋環境調査
  • 担当:足立・西川


豊潮丸を下船してから1か月半が過ぎました。
今頃(8)?と思われている方もいらっしゃると思いますが、12月14日に、タイワンホウキガニの展示を開始しましたので、今回の報告をもって、この航海採集日誌を締めたいと思います。
採集から展示まで、今回は結構日数を要しましたが、新しい生物を展示するためには、まずバックヤードの予備水槽で体のようすや摂餌などの状態を確認します。
展示する場所が決まったら、その水槽用の解説板を作ります。同時に、もともと展示していた生物の引っ越し先を整え、すべての準備が整ったところで入れ替えをおこないます。
そして、こちらがその展示水槽です。海底温泉を模して仕込んだブクブクにもご注目ください。


・・・地味ですね(笑)
海底温泉という面白い環境が、水深10m以深という意外と身近なところにあって、そこにカニがいて、バクテリアを食べている・・・
華やかな生活を送っているとは到底言えませんが、知っていて損はない生き物です。ぜひ展示をご覧になって、こんなカニもいることを知っていただきたいと思います。
水族館の職員として、調査・採集に参加したら、「展示」がひとつの大きな目標です。今回は、生きているタイワンホウキガニを展示することができたので、これでまずは無事にミッション終了です。
豊潮丸でお世話になったみなさま、改めて、ありがとうございました。


浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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