2020年01月07日

相模湾・伊豆小笠原海域調査航海(1)航海日誌1日目

  • 期間:2020年1月7日~1月11日
  • 場所:相模湾・伊豆小笠原海域
  • 目的:シンカイヒバリガイ類の共生細菌取込みに関する研究航海
  • 担当:杉村


みなさん、こんにちは!
実に1年半ぶり3回目の新青丸の調査航海です。
今回の調査海域は、相模湾と伊豆小笠原海域です。
相模湾は、2016年以来ですから3年半ぶりくらいになり、とても久しぶりの調査になります。

2020年の第1回目の航海です!
ちょっとドキドキなのですが、なんと海況がよくないらしい・・・
きのうの6日に航海の積み込みをおこない、その時に乗船研究者のみなさんとお話しをしたところ、太平洋岸から沖にかけて、大きな低気圧が来ているとのこと。
げげっ! 全く天気を気にしていなかった自分が・・・
完全に油断してました!!
そのため、急遽 2時間も早く出港することに・・・
本日朝 6:30頃には、JAMSTECの横須賀本部岸壁に停泊中の新青丸に乗り込み、8時に出港しました。


JAMSTECに到着!・・・まだ暗いです。


朝早いにもかかわらず、JAMSTECの研究者や職員の方数人が、我々を見送ってくれました、ありがとうございます・・・涙。


・・・そして、お昼には相模湾の初島沖に到着し、直ぐに記念すべき2020年初ダイブ(HPD#2098)です。
※今まで私の乗った航海では出港したその日にダイブすることは無かったのですが、今回は海況が悪くなるとのことで、このようになりました。

相模湾の海底 900m地点の目的地に迷うことなく一発到着です。
海底での作業は 2時間です。
ROVによる深海での作業の 2時間は非常に短く、船上でおこなう実験用のヒバリガイサンプルの採集と、現場に設置されていた実験装置の回収を何とか時間内におこない、本日のミッションは終了しました。


ハイパードルフィン潜航開始!

相模湾の海底は久しぶりですが、シンカイヒバリガイやヘイトウシンカイヒバリガイの大きなコロニーは健在で、手の平サイズのヒバリガイから米粒ほどの小さな稚貝までハイパードルフィンのカメラに映し出されました。
密集したヒバリガイの隙間には、サガミハイカブリニナやゲンゲの仲間、オハラエビ、クモヒトデなどが数多く観察できました。
ヒバリガイコロニーから少し浅場の 850m付近では、シロウリガイの巨大コロニーも健在で、みんな元気良さそうで安心しました。
それぞれのコロニーの周囲にもホラアナゴの仲間やソコダラの仲間、海中には多くのマリンスノーとそれに混じってヒドロクラゲや浮遊性の甲殻類たちを観察出来ました。
荒涼とした深海底で深海生物を見つけることはとても大変なことですが、シロウリガイやヒバリガイたちが集まる湧水域で、とても多くの深海生物たちにまた会えてとても嬉しい気持ちになりました。

午後 5:00 ハイパードルフィンが新青丸の甲板に揚収されると・・・
研究者のみなさんはサンプルの処理、私は生物のソーティング作業と飼育管理の仕事を夜遅くまで慌ただしく行いました。


ラボでソーティング中の私

あすは、伊東沖に低気圧を避けての避泊になります。
航海初日、バタバタと過ぎてしましました。
あすは少しは落ち着いて仕事ができるかな・・・?
それよりもこの海況で小笠原には行けるの?

ではまた、あした。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-1 新青丸/ハイパードルフィン 「シンカイヒバリガイ類の共生細菌取込みに関する研究航海」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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