2020年01月11日

相模湾・伊豆小笠原海域調査航海(5)航海日誌5日目

  • 期間:2020年1月7日~1月11日
  • 場所:相模湾・伊豆小笠原海域
  • 目的:シンカイヒバリガイ類の共生細菌取込みに関する研究航海
  • 担当:杉村


本日航海5日目 最終日(下船日)です。
きのうから新青丸は走り続け、今朝 8時頃には東京湾に入りました。
なんだかあっという間の 5日間でした。


朝日・・・ 向こうに見えるは房総半島


朝日とハイパードルフィン・・・ お疲れさました。

初日の 2時間早い出港と潜航調査に始まり、海の上では波と風に揺られ、本当に海洋調査というのは思い通りにはいかないものだなあと感じた 5日間でした。
出港当初は、海況の影響から予定の半分の調査すらも危ぶまれましたが、主席研究者の生田さんの英断や船のみなさんの多大な協力と幸運もあり、終わってみれば予定していたミッションはほぼ完遂という、とても成果の多い航海でした!

新青丸船上で飼育してきたシロウリガイ類やヒバリガイ類、そしてユノハナガニたちは、これから私と一緒に“えのすい”へ行きます。
これまでの飼育研究の結果、少しずつ明らかになってきた飼育条件の検証実験や繁殖を行いたいと思います。
JAMSTEC研究者のみなさんと共同で長期に飼育・繁殖をおこなうことで、謎に包まれた彼らの生態や行動を明らかにすることが目的です。
そしてそのようすを公開することで、深海の研究について多くのみなさんに伝え、関心を持ってもらえればと考えています。

※“えのすい”の飼育実験水槽では、ヒバリガイやシロウリガイに個別の番号をつけて個体の飼育状況を管理しています。
・・・貝殻や甲羅に○○20—01などの番号があるのは、本航海でサンプリングされた深海生物です。

さあ、間もなくJAMSTEC横須賀本部の岸壁に入港します。
横須賀本部の岸壁には、私を迎えに来てくれたえのすいトラックと西川トリーターの姿が見えています。


迎えに来てくれたえのすいトラックと西川トリーター

えのすいの深海生物の生態解明のチャレンジは、まだまだ続きます。

最後になりますが、本航海を取り仕切っていただいた主席研究者の生田さんを始め、一緒に乗船した研究者のみなさん、ハイパードルフィン運航チームのみなさん、そして難しい海況で船を安全に操船・航行していただいた新青丸乗組員のみなさん、大変お世話になりました、ありがとうございました。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KS-20-1 新青丸/ハイパードルフィン 「シンカイヒバリガイ類の共生細菌取込みに関する研究航海」を目的とした調査航海

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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