2020年12月01日

西七島海嶺、中マリアナ海嶺・西マリアナ海嶺北部 調査航海(7)

  • 期間:2020年11月25日(水)~12月12日(土)
  • 場所:西七島海嶺、中マリアナ海嶺・西マリアナ海嶺北部
  • 目的:新たな海洋保護区(沖合海底自然環境保全地域)/管理のための深海を対象とした生物多様性モニタリング技術開発/日本周辺における沖合自然環境保全のモニタリング調査
  • 担当:八巻


航海7日目 チーフ オブ ザーバー リョウマエビ

みなさんこんにちは!八巻です。
今日で航海も一週間、早いものです。
今日は昨日の調査海域から移動して、西七島海嶺の別の海山にやってきました。
今日から12月だというのに、東京より大分南にいるだけあって、半袖で過ごしています!
本日のKM-ROV調査は1潜航のみで、水深約 300mの海底で、生物の観察やサンプリングを行いました。
ところでKM-ROVの潜航をするにあたり、潜航ごとにチーフ オブ ザーバーを決めて、そのチーフ オブ ザーバーが潜航の計画や報告をまとめています。
乗船研究者みんなで順番に行いますが、今日は私の番でした。
潜航前日までにミーティングで潜航内容について相談し、首席研究者の方と内容を確認をしてから、KM-ROVのチームへ潜航要望書を提出します。
潜航中は全体が把握できるようにログをとり、潜航後に作業や観察結果をまとめて報告します。
ログとりは案外重要で、その日の潜航であっても、ちゃんとログをとっていないと、いつどこで何をしたか分からなくなってしまいます。
特に生物をサンプリングした時間や深度、サンプルをどこに入れたかなど、似たような情報や作業は混乱しがちです。
でももしかしたら、これは日々の生活でも同じことが言えるのかもしれませんね・・・

今回の海域は昨日とはようすが違い、固着性の刺胞動物は小さな群体ばかりでした。
最初はかなりフラットな海底でしたが、後半になるととても高い崖が出てきたり、つい息をのむダイナミックな地形にかわりました。


オーバーハングした岩陰にはいかにも何かいそうです。
現れたのは、“えのすい”でも展示しているハシキンメ。


チカメキントキも見かけました。


このような地形の中で見ると、見慣れている魚たちも格段にかっこよく見えますね!
多くの魚はROVから逃げていくのですが、時には自ら寄ってきてくれる魚もいます。


今回寄ってきてくれたのはヒシダイです。

魚の他にも、今日はリョウマエビの仲間のサンプリングもできました。
こちらも昨日のジンケンエビ類と一緒に長期飼育を目指し、水槽でようすを見ることにしました。


明日も同じ海域での潜航です!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KM20-10C かいめい/KM-ROV 新たな海洋保護区(沖合海底自然環境保全地域)/管理のための深海を対象とした生物多様性モニタリング技術開発/日本周辺における沖合自然環境保全のモニタリング調査

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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