2022年03月21日

大島から「さるびあ丸」での相模湾鯨類目視調査

  • 期間:2022年3月16日(水)
  • 場所:相模湾
  • 目的:相模湾・東京湾に来遊する鯨類種特定に関する研究
  • 担当:鷲見


みなさんこんにちは!
相模湾にどんな鯨類が来遊しているかを調査すべく、先日大島から出航する「さるびあ丸」に乗船してきました。今回の調査員は私と櫻木トリーターです。

相模湾の鯨類目視調査はこれまで3回、富戸漁港から出発する漁船にて実施していましたが、鯨類の発見には至っていません。
富戸漁港以外にも目視調査が可能な航路はないか模索していると、大島から相模湾を通り東京湾に着岸する東海汽船の大型客船が目に止まりました。
大島から東京方面の航路での鯨類の発見は 2021年に、4月上旬に一般の方が SNSで上げていらっしゃり、事前に東海汽船にイルカを目撃した情報があるか聞いたところ、稀にあるということで、今後「さるびあ丸」からの目視調査が有効であるかを検証するためにも乗船しました。
大島までは熱海港からジェットフォイル「セブンアイランド結」にて向かいます。
途中巨大海洋生物と衝突する可能性があるエリアでは減速しており、ここで大型鯨類にもし会えたら、、とわくわくしながら窓越しに外をましたが、会うことはなく大島に着岸。
大島から大型客船「さるびあ丸」に乗り換え、東京竹芝桟橋までの 4.5時間の本命の目視調査が始まりました。
「さるびあ丸」は高さのあるデッキから観察が可能で、6F 展望デッキの右舷、左舷それぞれに分かれ観察を実施しました。
環境条件はやや白波がたつ程度で悪くなく、視界も良好でした。

出港してから約1時間、16時50分、ついにイルカの背びれを発見しました!
一瞬のできごとでカメラのシャッターをきれず、もう一度出てくることを祈って待っていたら、また一頭の背びれが見え、一瞬で見えなくなってしまいました。

反対側で見ていた櫻木トリーターも同じタイミングで3頭の背びれを確認!
背びれの色はグレーで、形からバンドウイルカかハナゴンドウではないかと思われましたが、一瞬のことでふたりとも写真に収めることができず、種の確定には至りませんでした。
船の速度が時速 40kmで、小型鯨類が普通に泳ぐ速度に比べるとやや速く、背びれが見えた場所からすぐに遠のいてしまいました。
せっかく会えたのに写真が撮れず、、悔しい。悔しいので私が確認したイラストを描きました。

小型鯨類の背びれ(イメージ)小型鯨類の背びれ(イメージ)

写真には収められませんでしたが、この時期に小型鯨類が相模湾に来遊していること、大島~東京間の航路は目視調査に有効であること、そして大型客船の目視調査の場合の課題が見え、いろんな収穫のある調査になりました。

次の調査ではなんとか写真に収めるべく、フィールド調査担当で作戦を練ろうと思います。

ジェットフォイルジェットフォイル

さるびあ丸さるびあ丸

6F デッキ位置6F デッキ位置

調査風景調査風景

調査風景調査風景

→ は航路 青〇は小型鯨類発見場所→ は航路 青〇は小型鯨類発見場所

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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