2022年04月20日

勢水丸 三重県沖生物採集航海(1)
航海日誌1日目

  • 期間:2022年4月20日(水)~2022年4月22日(金)
  • 場所:三重県沖(熊野灘)
  • 目的:ドレッジ、プランクトンネットによる生物調査
  • 担当:山本・足立


(山本)みなさんこんにちは。私たちは今、三重大学の練習船「勢水丸」に乗船しています。4月20日~22日の日程で、北里大学のみなさまと一緒に、三重県沖の生物調査に同行させていただきました。
すみません、本当だったらきのうのうちに、きのうやったことなどを書きたかったのですが、海が結構荒れており、船に弱い私は、ほぼほぼグロッキー状態でした・・・ 。きのうから外洋の海況がよろしくなく、予定では本日の夜にもっと沖のポイントに向かうはずだったのを断念して、早めに伊勢湾に帰ってきたのです。
そして現在は松阪港に停泊中。

ということで、とりあえず1日目のことを。
えっと、きのうは何をしていたんだっけ・・・ 朧げな記憶をたどると・・・ そうだ、きのうは朝に松阪港にてみんなで抗原検査をおこないました。
その後 10時に出港、船内案内や注意事項などを船員さんからレクチャーされ、採れた生物をキープするための場所を確保しました。その後の動きは以下のような感じです。

14:30頃
1か所目のポイントで底生生物の採集(ドレッジとビームトロール)。

そこで採れたのはミズヒキガニの仲間やコシオリエビの仲間です。
網の中ではさまざまなものが砂などと一緒にごちゃ混ぜになっていますが、先生や学生さんたちは手際よく、丁寧に生き物を分けていきます。
見たことがない生き物がたくさんいて、テンションは上昇!していたのですが、このあたりから揺れが・・・ ばっちり船酔いしてしまったため、私は「休む → 働く → 休む・・・」を繰り返していました。

18:00頃
2か所目のポイントでORI(どでかいプランクトンネット)
20:00頃
3か所目のポイントでORI

このあたりは精神が限界で記憶がほとんどないため、ここからは足立トリーターに変わりたいと思います。では、お願いします。

(足立)代わりました、足立です。
水深 800mぐらいのところをプランクトンネットで曳くので、深海性の生き物たちが上がってきます。クラゲなど、柔らかい生き物は、若干傷んで上がってくるのも仕方がないと思っていますが、今回はフウセンクラゲの仲間と思われるクシクラゲが、とてもたくさん、しかもほぼダメージの見られない状態で採集されました。
そのほか、ザ・深海クラゲ(と言ってもよいと思います)である、カムリクラゲの仲間や、カッパクラゲ、ニジクラゲ他のクラゲ類、浮遊性の軟体動物や、タルマワシ他節足動物もたくさん入りました。

上がってきたサンプルは、甲板で一気に仕分けをします。いろいろなものが見つかって楽しいお祭りのような作業なのですが、今回、揺れる甲板でこの作業を終えた後、透明なゼリー状のものがたくさんこぼれていて、この海域のゼリー状の生物量の多さに驚きつつ、「祭りのあと」という言葉が頭に浮かびました。
揺れて大変でしたが、無事に採集ができて、よかったです。

久しぶりの調査航海で、しかも初めての勢水丸ということで、期待:不安=9:1ぐらいで乗り込みました。
海況が荒れるということで、当初の調査予定を変更して、きょうのうちに熊野灘から伊勢湾に戻ってきたため、ようやく、日誌を書ける心身の状態になりました。

(山本)ということで、伊勢湾航海1日目はこんな感じとなりました(船酔い辛すぎてかなり大雑把になってしまいました・・・ また日誌で改めて書かせていただきます)。とりあえず、無事に帰ってこられてよかったです。
2日目以降のことも、また落ち着いたら書こうと思います。
ああ・・・ 揺れてる・・・ ああ・・・。

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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