2009年08月09日

沖縄マングローブ調査(4)7月27日 いざ、やんばるの森へ

  • 期間:2009年7月24日~
  • 場所:沖縄
  • 目的:マングローブ調査
  • 担当:伊藤


いよいよ沖縄陸域での調査も大詰め、あすからの航海に備えしばし休息、とはいきません。最後に沖縄本島北部の原生林地帯「やんばる」を見ておかねばなりません。

やんばるといえば、「ヤンバルクイナ」や「ヤンバルテナガコガネ」といった貴重な固有種が有名ですが、今回は私が出会った、それらに負けない変わった生き物を紹介します。

2年ぶりに再開、ハナドンこと「ハナサキガエル」。
ヒキガエルとアカガエルを足して割ったような地味な種ですが、本島ではここだけに生息する珍種です。大きな目がかわいいです。

倒木の下からはとても細い「ヘリグロヒメトカゲ」。
指の隙間をくぐるような動きは、まさにリアル「モー○ー」。テカテカ光る体はツルリとしていてついつい触ってしまいます。何気に初めて実物をみたので感激です。

さらに進むと山道わきに「リュウキュウアオヘビ」を発見。
こちらも初対面。鮮やかな体色ですが無毒で、主にミミズを食べる平和主義者です。ツルツルすべすべした手触り。あんまりさわり心地がよいのでしつこくしていたら、さすがにかみ付かれました・・・ 。

「オキナワシリケンイモリ」が落ち葉の上を歩いていました。
カメラを構えると猛ダッシュで逃げます。想像以上に速くて驚きました。こういう意外な一面を知ることができるのが、野外活動の醍醐味です。

極めつけは、巨大な陸貝「ヤンバルヤマナメクジ」。
大きなものでは 15cmを超える怪物です。手触りは意外に固く、消しゴムのようです。粘り気は納豆のようで洗ってもなかなかとれません。ヤンバルの大木の幹にさまざまなサイズのものが見られました。目はとてもつぶらで、苦手な方も必見です。

ほんの数時間の間に、こんな面白い生き物に出会えたのは幸運でした。
やはり沖縄の自然は素晴らしい!
ぜひまた機会があれば訪れたいです。その日を夢見ながら、しばらくは楽しく過ごせそうです。
それでは、またいつかお会いしましょう。

神秘的なやんばるの森神秘的なやんばるの森

つかまった!「ハナサキガエル」つかまった!「ハナサキガエル」

初対面!「ヘリグロヒメトカゲ」初対面!「ヘリグロヒメトカゲ」

極彩色!「リュウキュウアオヘビ」極彩色!「リュウキュウアオヘビ」

俊足!「オキナワシリケンイモリ」俊足!「オキナワシリケンイモリ」

太平洋

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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