2014年05月21日

豊潮丸~日本海(2)
豊潮丸航海2日目/杉村

  • 期間:2014年5月20日~5月29日
  • 場所:日本海
  • 目的:ベントス・プランクトン調査・採集
  • 担当:杉村・笠川
集魚灯に集まるミズクラゲ集魚灯に集まるミズクラゲ


私は今年の4月の相模湾の調査航海に続いての航海です。
これまで太平洋側の航海は何度か経験はありますが、日本海側の航海は初めてでとてもどきどきしています。

きょうは、呉を出航して調査地点に向かう途中でしたが、海況が荒れているということから調査を断念して、一旦「吉田松陰」先生で有名な「萩」の近くの港に入港しました。
緑が多くとても静かな場所です。
海況が悪かったことはちょっと残念でしたが、日が暮れてから集魚灯を点灯しての夜間採集をおこないました。
暗い海に集魚灯の緑の光が広がります。
とっても幻想的でした。
そこには、手のひらサイズの大きなミズクラゲが多数群がってきました。
その他にはクシクラゲの仲間のヘンゲクラゲがともたくさん流れていきます。
中には、クラゲライダーことフォロソーマ幼生(イセエビやウチワエビなどの浮遊幼生のこと)がミズクラゲやアカクラゲに乗ってやってきました。


フィロソーマ

実際の海でクラゲに乗っているところを見るのは初めてで、とても感動的で、クラゲと一緒に海の中をくるくると浮遊しながら、回転しているようすも観察できました。
その他にはタルマワシやダルガレイの仲間と思われる稚魚など、とても多くの浮遊生物たちを発見しました。

ケガの功名というべきか、海峡が荒れて入港した場所で思わぬ生き物たちに出会えて幸運でした。
実は幸先がいいのかも・・・

あすはもう1日、ここにと留まります。
周辺の漁港や海岸を歩いてみたいと思います。
今度はどんな生物たちに会えるでしょうか。
とても楽しみです。
ではまた。


広島大学「豊潮丸」よる日本海ベントス・プランクトン調査・採集

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

RSS