2020年12月05日

西七島海嶺、中マリアナ海嶺・西マリアナ海嶺北部 調査航海(11)

  • 期間:2020年11月25日(水)~12月12日(土)
  • 場所:西七島海嶺、中マリアナ海嶺・西マリアナ海嶺北部
  • 目的:新たな海洋保護区(沖合海底自然環境保全地域)/管理のための深海を対象とした生物多様性モニタリング技術開発/日本周辺における沖合自然環境保全のモニタリング調査
  • 担当:八巻


航海11日目 金銀そろった! ウスアカイソギンチャク類

みなさんこんにちは!八巻です。
昨日までで回航が終わり、今日から調査再開です。
今私のいる中マリアナ海嶺・西マリアナ海嶺北部は、ほぼ日本の最南端の海域です。
外洋ゆえの透明度の高さと海の青さは本当に息をのむ美しさです!


今日は ROVの調査を2潜航行いました。
どちらも水深約 600mの海底の生物観察・サンプリングとベイトカメラの回収が目的です。
朝、まさに KM-ROVの第1潜航を始めようとしているときにスコールが降ってきました。
15分ほど大雨が降り続きましたが、その後にうっすらと虹が見えました!


写真で分かるでしょうか・・・ 潜航開始は若干遅れてしまいましたがとても良いものを見ることができました。

潜航して海底についてみると、どちらかというと生物量が少ないように思えました。
最初に見えた魚は、少し映りが悪いですが、こちら。


(写真 赤丸)

そして次がこちら。


(写真 赤丸)

この写真だけで何という魚か分かった方はすごいです。
ヒントは今日の日誌の題名。

そう、1種目がキンメダイ、2種目がギンメダイの仲間です。
キンメダイはこれ以降見ませんでしたが、ギンメダイはかなりの数見ました。優占種といってもよさそうです。
似たような名前の魚ですが、金銀同時にそろうことは案外ありません。
私自身、キンメダイとギンメダイ両方同時に見たのはこれが初めてでした!

その後の2潜航目では斜面になっている海底を観察しました。
1潜航目とは違う多様性に富んだ海域で、前回の調査海域に似た印象を受けました。
そこでサンプリングした生物がウスアカイソギンチャクの仲間です。


イソギンチャクの専門家の方から、標本にするものとは別に長期飼育用として分けていただきました。これほどの水深でこの仲間が見つかるは珍しいとのことです。
ウスアカイソギンチャク類は他の刺胞動物に付着していることが多いですが、やはり今回もそうでした。
過去の経験からウスアカイソギンチャクはなかなか長期飼育が難しい種ですので、頑張っていきたいと思います!

明日は同じ海域の 2,000m域の調査です!


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KM20-10C かいめい/KM-ROV 新たな海洋保護区(沖合海底自然環境保全地域)/管理のための深海を対象とした生物多様性モニタリング技術開発/日本周辺における沖合自然環境保全のモニタリング調査

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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