2020年12月06日

西七島海嶺、中マリアナ海嶺・西マリアナ海嶺北部 調査航海(12)

  • 期間:2020年11月25日(水)~12月12日(土)
  • 場所:西七島海嶺、中マリアナ海嶺・西マリアナ海嶺北部
  • 目的:新たな海洋保護区(沖合海底自然環境保全地域)/管理のための深海を対象とした生物多様性モニタリング技術開発/日本周辺における沖合自然環境保全のモニタリング調査
  • 担当:八巻


航海12日目 岩質の海底 カイメン類

みなさんこんにちは!八巻です。
今日は昨日に引き続き、中マリアナ海嶺・西マリアナ海嶺北部の水深 2,000mの調査を行いました。
今回の調査航海でのサンプリング対象は、生物の他にも水、底泥が含まれています。水は CTD(複数の水質項目をリアルタイムで計測できる観測機器)を搭載した 36本のニスキン採水器をクレーンで投入し、サンプリングします。


赤丸は1本のニスキン採水器

また、底泥についてはH式コアという採泥器などを ROVに搭載し、海底でサンプリングします。


緑丸は鞘に入れた1本のH式コア


M式コアを用いたサンプリング

ところが今回の調査航海では、他の海域でも岩質の海底ばかりで、泥質がなかなかサンプリングできない状況が続いています。
水深 2,000m級の平坦な海底であれば、大抵は底質が泥で、底泥のサンプリングが可能です。しかし、今回の調査海域では泥がほとんどない岩質の海底でした。異質な雰囲気です。

周囲にはカイメン類が数多く観察できました。



初日のホッスガイもそうですが、カイメン類はなぜそんな形になるのか本当に不思議です。触ってみてもガラス質の繊維でできていますので、“生物感”がまるでありません。飼育も非常に難しく、サンプリングして数日たつと、崩れてきてしまうのです。
しばらく海底を進み、斜面に入ると付着性の刺胞動物や甲殻類、魚類の多様性、生物量ともに増えてきたように思えましたが、2,000m級の海底はやはりとても静かな印象でした。

明日は AUVの潜航調査と釣りサンプリングを行う予定です。


JAMSTEC(海洋研究開発機構)KM20-10C かいめい/KM-ROV 新たな海洋保護区(沖合海底自然環境保全地域)/管理のための深海を対象とした生物多様性モニタリング技術開発/日本周辺における沖合自然環境保全のモニタリング調査

新江ノ島水族館は、JAMSTECと深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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